次に、資料の
右側上段の
計画目標についてであります。
ここでは、大きく分けて四つの目標を掲げております。
計画目標の
一つ目は、
排出抑制の推進であります。平成25年度に289万トンであった
排出量は、平成32年度には293万トンになるものと推計されます。これを、第4次計画の推進によりまして現状と同程度の290万トン以下に維持することを目標としております。
また、
二つ目の
最終処分量の減量については、平成25年度10万1,000トンであったものを32年度には9万トン以下に減量すること、三つ目の
再生利用の推進につきましては、平成25年度に
再生利用率が73.7%であったものを32年度には75%以上に引き上げることを目標としております。
四つ目の目標の
市域内処理の推進については、
市域内中間処理率と
市域外最終処分量の二つの
計画目標を設定しており、市域内での
中間処理率については、平成25年度に86.1%であったものを88%以上にすること、また、市外において埋め立てされる
最終処分量については、25年度の5万6,000トンから5万トン以下にすることを目標としております。
引き続き、
計画目標の下の欄にある計画の
基本方針と札幌市の
重点施策について説明させていただきます。
先ほどの
計画目標の達成に向け、第4次計画では、三つの方針のもと、七つの
重点施策を策定しております。
初めに、方針の
一つ目は、
産業廃棄物の
排出抑制及び
適正処理の推進についてであります。
ここでは、三つの
重点施策を定めております。内容としましては、
排出事業者や
処理事業者への指導、啓発を推進するとともに、
優良産業廃棄物処理事業者の育成や、
非常災害に備えた
処理体制の整備にも継続して取り組んでいくこととしております。
次に、方針の
二つ目は、
産業廃棄物の
市域内処理の推進についてであります。
ここでは、二つの
重点施策を定めており、札幌市が発注する公共工事等から排出される
産業廃棄物の抑制と市内での再資源化を推進するとともに、
最終処分量の低減に向けたリサイクルを進めることで、市域外へ流出する
最終処分量を抑えていく内容となっております。
最後に、方針の三つ目は、未活用資源の
有効活用の推進についてであります。
ここでは、二つの
重点施策を定めておりますが、廃石こうボードなど、直接、
最終処分率が高い
産業廃棄物の資源としての活用や、小規模排出現場での適正分別を通じた未活用資源の活用を推進していくこととしております。
○
北村光一郎 委員長 それでは、質疑を行います。
◆よこやま峰子 委員 私は、解体工事により排出された
産業廃棄物の
適正処理並びにリサイクルに向けた課題についてお伺いしたいと思います。
ただいま資料等でお伺いした札幌市における
産業廃棄物の
処理状況によりますと、
排出量、
最終処分量ともに減少しているとのことでありますが、札幌市の建築物の多くは、昭和47年の冬季オリンピック、政令指定都市への移行を契機に、市役所本庁舎や清掃工場等の
インフラ整備、民間資本の建設ラッシュなどによって建てられたものが多いです。このときの建築物が老朽化によって更新の必要に迫られていて、一部は長寿命化で対応できると思われるものの、今後、解体工事が大幅にふえてくることが予想されております。
そこでまず、質問ですが、今後、解体工事に伴う
産業廃棄物が増加すると予想される中で、それらの
産業廃棄物について、札幌市はその
適正処理やリサイクルに向けてどのような課題があるとお考えになっておられるか、お伺いいたします。
◎新津
清掃事業担当部長 解体工事に伴って発生する
産業廃棄物の
適正処理、リサイクルに向けた課題についてお答えいたします。
今後、解体工事に伴う
産業廃棄物の発生量が増加すると見込まれますが、これらの
廃棄物の
最終処分量を抑えることが課題であると認識しており、
最終処分量抑制のためには
再生利用や資源化を推進する必要があると考えております。解体工事に伴う
産業廃棄物としては、主に瓦れき類や建設汚泥、廃プラスチック、廃石こうボードなどがありますが、このうち瓦れき類や建設汚泥については、解体工事で発生する量が多いものの、
再生利用率も8割以上と高く、また、廃プラスチックについては焼却等により減量化されております。したがいまして、今後これらの
廃棄物の発生量が増加したとしても、
最終処分量に与える影響は小さいところではありますが、引き続き
再生利用率の向上を図っていく必要があると考えております。また、廃石こうボードについては、解体工事で発生する
廃棄物の中では、発生量は少ないものの、そのほとんどがリサイクルされることなく
最終処分されており、
最終処分量全体の約2割を占めていることから、廃石こうボードのリサイクルを推進することも課題であると考えております。
◆よこやま峰子 委員 今のご答弁から、今後ふえていく解体工事による
産業廃棄物に対して、
再生利用や減量化を推進し、
最終処分量をいかに増加させないかが課題であること、また、その中でも、特に直接
最終処分率が非常に高い廃石こうボードのリサイクルを推進することが重要な課題であることがわかりました。
そこで、2点質問いたします。
最初に、廃石こうボードのリサイクルの現状がどのようになっているのか、伺います。
二つ目は、石膏ボード工業会の資料によりますと、廃石こうボードの
排出量は今後も増加傾向にあり、2050年ごろがピークになるとのことであります。
そこで、このような現状を踏まえ、札幌市としてはどのように廃石こうボードのリサイクルを推進しようとなさっているのか、伺います。
◎新津
清掃事業担当部長 廃石こうボードのリサイクルの現状と今後の推進についてお答えいたします。
1点目の廃石こうボードのリサイクルの現状についてでありますが、石こうボードは、一般的に、石こうが95%、それを挟み込む紙が5%で構成されております。紙は段ボールの芯材等として再利用されますが、廃石こうについては、石こうボードの原料としては性状や品質の関係で製品原料の1割程度の利用にとどまっております。そのほか、廃石こうは、土壌改良材や、学校のグラウンドなどで使用するライン引き用の白い粉などとして利用されておりますが、需要は少なく、リサイクルが進んでいないのが現状であります。また、市内の中間処理施設の設置状況を見ますと、解体工事などで発生する廃石こうボードの処理施設はなく、新築工事現場などで発生する新品の石こうボードの破砕を処理し、ライン引き用の粉などにリサイクルする民間施設が1施設のみあるという現状になっております。
次に、2点目の今後の推進についてお答えいたします。
今後、解体工事に伴う廃石こうボードの発生量増が見込まれることから、これら解体系の廃石こうボードのリサイクル施設を札幌市内に設置することが必要であると考えております。このようなことから、昨年3月には、解体系の廃石こうボードのリサイクルについて計画する
事業者を、東区中沼にある札幌市リサイクル団地に参入させることとしたところでございます。今後は、これらの廃石こうボードリサイクル施設が十分機能を果たすことで、廃石こうボードのリサイクルの推進が図られるものと考えてございます。
◆よこやま峰子 委員 私も、札幌市において解体工事から排出される廃石こうボードのリサイクル施設がリサイクル団地にできるということは、非常に時宜を得たことであって、
最終処分量の低減にも非常に有効であると考えます。
しかし、廃石こうボードのリサイクルについては、再製品化する際に原料の1割程度の利用にとどまっているなど、廃石こうの需要が少ないことが課題であるとのことでもありました。需要の少ない理由の一つは、お聞きしますと、原料となる石こう結晶が小さいため、石こうボードの強度が不足するということであります。今回計画されている廃石こうボードのリサイクル事業が成功する鍵は、いかにリサイクルした廃石こうの需要を高めるかということと同時に、そこからさらに進んで、廃石こうボードの廃棄から廃石こうの処理、そして、石こうボードなどへの再製品化といった資源の循環リサイクルの構築にあると考えます。
これまでは、形状や品質の問題で1割程度しか石こうボードの原料となり得ないこともあり、なかなか需要が伸びなかった廃石こうボードでありますが、お聞きしますと、最近は石こうボードの原料としてほとんど利用できるように結晶を大型化した石こうを製造する技術が開発され、実用化され始めているということであります。これによりますと、これまで1割程度だったものが、かなり多くの部分を利用できるようになり、そうなれば需要量も大幅にふえるのではないかと期待するところであります。このように、最新技術を導入することによって廃石こうの需要を高めることが期待できるということです。
しかし一方で、この新技術導入に当たっては、導入のための多大なイニシャルコストと
ランニングコストを要するなどの課題があり、
事業者として費用対効果の面で慎重にならざるを得ない、なかなか踏み出せないというのが事業化が進まない理由と聞いております。また、せっかく廃石こうボードのリサイクル施設ができても、リサイクルするよりも埋め立てたほうが処理費用は安いとなってしまっては、解体工事などで発生した廃石こうボードは安価な埋立地へ流れてしまい、リサイクルに至らないということにもなりかねません。
そこで、質問ですけれども、今回の廃石こうボードリサイクル施設の事業化に当たり、最新技術の導入を促進するため、札幌市としても、
事業者に対する経済的支援はもちろんのこと、市有の埋立地において廃石こうボードの受け入れを中止するなどの適切な対応を講ずるべきではないかと私は思うのですがいかがか、お伺いいたします。
◎新津
清掃事業担当部長 廃石こうボードリサイクル施設の事業化に対する支援等についてお答えいたします。
札幌市では、今回の廃石こうボードリサイクル
事業者に対する支援として、
廃棄物処理施設の都市計画決定が既になされ、下水道などの
インフラも整備されているリサイクル団地内の用地を貸与することとしております。また、北海道の循環資源利用促進施設設備整備費補助金などの補助制度もあることから、これら既存の補助制度を十分活用できるよう、
事業者への情報提供や関係機関との調整を行ってまいりたいと考えております。
さらに、市有埋立地における廃石こうボードの受け入れについては、廃石こうボードのリサイクル推進に向け、今後、そのあり方について検討してまいりたいと考えてございます。
◆よこやま峰子 委員 要望ですが、私は、今後、建築物の更新ラッシュを迎える中で、直接
最終処分率が高い
産業廃棄物のリサイクルをいかに進めていくかが重要であると考えます。今の段々のやりとりの中でも、札幌市としても、その認識は同じであることがわかりましたし、第4次
産業廃棄物処理指導計画においても
産業廃棄物の
最終処分の抑制がうたわれております。そして、このたび、その具体的な方法として、廃石こうボードの再製品化に向けてリサイクル団地にその施設が導入されましたが、ただいまの質疑応答でもわかりますように、課題も多くて実用化はなかなか道が遠いというのが私の感想でありますけれども、北海道においては
事業者への補助制度を設けているともお聞きしました。
私は、札幌市としても、費用対効果によって足踏み状態の
事業者に対する経済的な支援をするべきと考えます。また、経済的補助ももちろん大事ですが、先ほど申しましたように、市有の埋立地への廃石こうボードの受け入れはしないなど、
事業者に対して適切な指導をして、官民一体となったいわば札幌方式のリサイクルをしてほしいと思うのであります。これは、
最終処分の抑制のみならず、他都市のモデルにもなる事例になるのではないかと考えます。
札幌市におかれましては、長期的な視点に立ち、第4次計画における
産業廃棄物のリサイクル計画が、計画だけに終わらず、実効性の伴ったものとなるように、
事業者に対しても具体的な支援をご検討いただきますよう提言いたしまして、私の質問を終わります。
◆
松原淳二 委員 私からは、
排出量の抑制の目標達成に向けた取り組みについて質問させていただきます。
今回提案されております第4次札幌市
産業廃棄物処理指導計画(案)でございますが、本来、
産業廃棄物の処理については、
産業廃棄物処理法などの関連法令に従いまして
事業者が適切に処理することになっておりますけれども、札幌市が
産業廃棄物の
排出事業者及び
処理事業者に対して行う指導の方向性を定める本計画については、大変重要な意味を持つものと認識しております。
先ほどご説明いただいたA3判カラーの
概要版の右上にございますが、
計画目標ということで
排出量、そして
最終処分量、
再生利用率、
市域内処理の4項目、五つの数値目標をクリアすることを目指しております。また、A4判の
計画案本書の7ページ目の処理フローを見ますと、
産業廃棄物が排出されてから
最終処分に至るまでのフローが載っておりまして、それぞれの工程の中で、先ほどの4項目、五つの数値目標である減量化、
再生利用などによって
最終処分量が抑制される流れが見てとれます。しかしながら、
排出量という観点からすると、このフローは
排出量からスタートしておりますので、
排出量の抑制という手だてについてはこのフローでは見られないと感じました。
そこで、質問ですが、
排出量の目標達成に向けてどのような取り組みを進めていくのか、伺います。
◎新津
清掃事業担当部長 排出量の目標達成に向けた取り組みについてお答えいたします。
市内における
産業廃棄物の
排出量は、平成25年度で約289万トンとなっておりますが、そのうち約7割を占める上下水道などからの汚泥は、
市民生活に伴って発生するもので、その抑制は難しいところであります。したがいまして、
排出量の約3割を占める瓦れき類や廃プラスチック類など、その他の
産業廃棄物について
排出抑制に取り組むことが重要となります。これらの
産業廃棄物については、オフィス等から排出されるプラスチック製品など、日常的に業務で使用、消費され、不要となった
産業廃棄物と、食品工場から排出される調理くずなど製造工程で生じる
産業廃棄物がありますが、
産業廃棄物の
排出抑制に向けては、これら両者の排出状況に応じた取り組みを進めていくことが効果的であると考えております。
これまでも、札幌市では、日常業務での使用、消費に伴う
産業廃棄物の
排出抑制に向け、オフィス等の排出事業所への立ち入りや、マニフェスト交付等状況報告書の提出時において、
排出抑制を図るための自主的な取り組みが促進されるよう意識啓発等を行ってきたところであります。今後は、これに加え、市内の製造業者等に対し、製造工程で生じる
産業廃棄物の
排出抑制に係る優良事例や先進技術等の情報提供を積極的に行うなど、広く
排出事業者に対して普及啓発を行い、
排出量の目標を達成していきたいと考えております。
◆
松原淳二 委員 平成25年度で289万トンのうち、その7割が汚泥ですが、汚泥に関しては中間処理で大方は処分できることから、残り3割の瓦れきなどが問題だということでした。そして、これまでの取り組みということで、
排出抑制の普及啓発を行っていきながら、オフィスや工場の排出状況に応じて働きかけていくということですけれども、ぜひ、理解促進し、そして普及啓発を行っていただきたいと思います。
加えて、
産業廃棄物の
排出量を抑制するためには、
産業廃棄物が発生してから対応するのではなく、将来的な
排出抑制も踏まえて、
産業廃棄物の発生しにくい製品の使用へ切りかえたり、長寿命化、かつ分別、再使用が容易な資材や工法の採用など、設計・施工の初期の段階から取り組んでいくことも重要だと考えます。これにより、将来的な
排出量の抑制にもつながっていくものと考えます。
そこで、質問ですけれども、設計・施工時などの初期の段階から将来的な排出を抑制するという視点も取り入れるべきと考えますがいかがか、伺います。
◎新津
清掃事業担当部長 将来的な排出を抑制するという視点についてでありますが、
産業廃棄物の
排出抑制に向けては、ご指摘のとおり、中長期的視点に立ち、将来的な
排出抑制について配慮することも重要であると認識しております。
したがいまして、札幌市としましては、現時点での排出をいかに抑制するかというこれまでの視点に加え、将来的な排出を抑制するという視点を第4次計画の中に取り入れることとし、製品の購入時や建築物の設計・施工時の段階から将来的な
排出抑制について配慮がなされるよう、
排出事業者に対する普及啓発等をさらに充実してまいりたいと考えております。
◆
松原淳二 委員 ぜひ、広く働きかけを行っていただきたいと思います。とても重要なことだと考えております。
その上で、まず、札幌市としても率先して行うべきと考えております。特に、
産業廃棄物を大量に生じさせる公共事業分野においては、これまで、札幌市は、札幌市グリーン購入ガイドラインで再生骨材や再生処理土などの資材を品目に指定して
産業廃棄物の循環的利用の推進を図ってきたところです。しかし、今後は、従来型のリサイクル品の利用だけにとどまらず、先ほど申した長寿命化や耐久性などにも配慮した資材を品目に加えるなど、具体的な行動が求められていると考えます。
そこで、質問ですけれども、札幌市の発注工事において将来的な
産業廃棄物の
排出抑制に向けて率先的な取り組みが進むよう、関係部局に対してしっかりと働きかけていくべきと考えますがいかがか、伺います。
◎新津
清掃事業担当部長 本市発注工事における率先的な取り組みについてでありますが、札幌市の発注工事において将来的な
排出抑制に向けた取り組みを率先的に行うことは、大変重要であると考えております。今後におきましては、工事発注部局との庁内会議などを通じて、将来的な排出を抑制していくという意識を関係部局間で共有するとともに、具体的な取り組みが進むよう働きかけてまいりたいと考えております。
◆
松原淳二 委員 まずは、認識を共有することが大事だと思っております。
排出量の
計画目標を達成するためには、
産業廃棄物の排出時のみならず、将来的な
排出抑制を見据えて、製品の購入時や建築物の設計・施工の段階において
排出事業者みずから配慮することが重要になってくると考えます。そのため、第4次指導計画においても将来的な
排出抑制の観点からの施策を盛り込むということですので、ぜひ、実効性ある取り組みを遂行していただきたい、また、関係部局との認識共有もしっかり行っていただいて、札幌市としても率先実行に努めていくようお願い申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。
○
北村光一郎 委員長 ほかに質疑はございませんか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
○
北村光一郎 委員長 なければ、質疑を終了いたします。
最後に、駒岡清掃工場更新事業についてを議題とし、資料に基づき、
理事者から説明を受けます。
◎日當 施設担当部長 それでは、駒岡清掃工場更新事業につきまして、現在までの進捗状況についてご説明させていただきます。
まずは、お手元の資料の確認でございます。
本日付の駒岡清掃工場更新事業についてと題したA4判1枚物の資料1、それから、駒岡清掃工場更新事業構想段階評価書(要約書)と題したA3判2枚物の資料2の2種類をお配りしてございます。
まず、資料の説明に入る前に、若干、駒岡清掃工場の更新計画の概要につきましてご説明させていただきます。
駒岡清掃工場は、昭和60年11月の運転開始以来、現在、稼働年数が30年を超え、市内の清掃工場の中では最も古くなっております。一般的に清掃工場の耐用年数は25年から30年とされているため、早急な対応が求められているところでございます。
また、平成22年度に篠路清掃工場が廃止となり、現在の札幌市のごみ焼却体制は駒岡、発寒、白石の3清掃工場により成り立っております。3清掃工場の位置は、市内全域から効率的にごみを収集するという目的から見て、バランスのとれた配置となっているところでございます。このことから、3工場の配置を維持しつつ、老朽化した施設を更新するために、駒岡清掃工場を現工場周辺に建てかえることといたしました。
施設規模は、現工場と同じく1日600トンの処理能力とする予定であり、建設予定地につきましては、現工場の南側隣接地を計画しております。新工場の運転開始は、平成36年度を目標としております。
以上が駒岡清掃工場の更新計画の概要でございます。
それでは、お手元の資料1をごらんください。
更新事業の進捗状況についてご説明させていただきます。
まず最初に、平成26年度に実施した事業内容でございます。
一つ目は、地域住民の皆様へ更新計画についてのご説明をさせていただいたことでございます。芸術の森地区連合会の皆様を対象に、更新計画の概要をご説明させていただきました。さらに、駒岡清掃工場に接する町内会の皆様へ、随時、ご説明させていただき、また、ご意見を賜ってきたところでございまして、その中で工場更新に対するご理解をいただいているものと考えているところでございます。
二つ目は、環境影響評価、いわゆる環境アセスメントに関する手続でございます。環境影響評価は、
事業者が、事業の実施に当たり、あらかじめ、その事業がその周辺にどのような影響を及ぼすかについて調査、予測、評価を行い、その事業を、
環境保全上、より望ましいものにしていく制度であり、平成26年度は計画段階環境配慮書の作成までを行いました。配慮書は、事業の検討段階において、
環境保全のために配慮すべき事項を選び出し、これを公表して早期の段階から市民や有識者の皆様からのご意見を取り入れる手続でございます。
続きまして、平成27年度の事業内容でございます。
一つ目は、先ほどご説明させていただきました計画段階環境配慮書につきまして、市内4カ所で縦覧、意見募集を実施し、市ホームページでの公開、さらに説明会を実施しております。縦覧及び説明会では、清掃工場周辺住民の一人一人にしっかり理解していただくための十分な説明を行うことといったご意見とか、あるいは、環境影響に関し、騒音、振動の測定場所に配慮することなどのご意見をいただいております。また、札幌市環境影響評価審議会でご審議していただき、その結果を踏まえた市長意見をいただいております。市長意見につきましては、ホームページでも公開しているところでございます。これらの意見を踏まえながら、今後もアセスメントの手続を進めてまいります。
二つ目は、構想段階手続における都市計画審議会への説明でございます。
お手元の資料2をごらんください。
これは、都市計画審議会へ提出した構想段階評価書の要約書でございます。
駒岡清掃工場は、都市計画法に定める都市施設として都市計画決定されており、更新に当たっては都市計画の変更を行う必要がございます。
構想段階評価とは、市民ニーズの多様化や市民の
まちづくりへの参加意識の高まりなどを背景に、より早い段階から市民の合意を得ながら計画の熟度を高めていくことを目的とした手続でございます。構想段階手続を実施する事業は、環境影響評価の対象事業のうち、都市計画に定める必要がある事業となっております。駒岡清掃工場の更新事業はこの対象事業に該当し、都市計画の概略案の立案段階におきまして、都市計画上の見地から総合的な評価を行うものでございます。
構想段階評価書には、事業の概要とともに五つの評価分野を上げ、それぞれの分野ごとに評価項目と評価結果を記載しております。評価分野といたしましては、都市計画の一体性、総合性といったものとか、あるいは、自然環境の整備または保全など、環境影響評価で行った周辺環境への配慮事項に加えまして、都市計画マスタープラン等の上位計画との整合性や都市計画上の観点から設定いたしました。
なお、新工場建設に向けた都市計画変更は、平成30年度までに行う予定でございます。
それでは、また資料1に戻ります。
三つ目は、事業予定地の確定測量の実施でございます。今後、土地鑑定評価の結果を受けまして、土地取得に向けた手続を進めてまいります。
四つ目は、地元町内会の皆様に清掃工場へのご理解を深めていただくために、札幌市で最も新しい清掃工場でございます白石清掃工場を見学していただきました。
五つ目は、駒岡清掃工場更新基本構想検討
委員会の開催でございます。更新計画を進めるに当たり、市の方針等をまとめた基本構想案に対しまして、有識者や地域の方からのご意見をいただくため、検討
委員会を設置いたしました。
委員会は、北大の大沼准教授を
委員長に、地元町内会、連合町内会の皆様、行政機関の方、
廃棄物に関する活動団体の方を含めて10名の委員で構成されております。このうち5名の委員を地元町内会関係の方にお願いしており、貴重なご意見を賜っているところでございます。いただいたご意見を参考とさせていただきまして基本構想を策定し、その後の基本計画に生かしていきたいと考えているところでございます。
以上が駒岡清掃工場更新事業の進捗状況でございまして、当初予定のスケジュールに沿って事務を進めているところでございます。
○
北村光一郎 委員長 それでは、質疑を行います。
◆
松原淳二 委員 私からは、新駒岡清掃工場建設にかかわる地元への対応について伺います。
ただいま、改めて更新計画の概要を伺いましたが、清掃工場は
市民生活に欠かすことのできない重要な都市機能を担うものと認識しております。これまでも、家庭ごみの有料化や分別などの新ごみルールの実施など、市民一丸となった取り組みによって大幅な減量を達成し、平成22年度末においては4カ所あった清掃工場を3カ所に減らすことができました。しかし、札幌市における適正
処理体制の継続という観点からは、現在の3清掃工場体制の維持が必要であり、そのための計画的な更新が必要であると理解するところです。その上で、新駒岡清掃工場は、老朽化した現工場の南側に移転し、その機能を継続することになっております。環境影響評価とあわせて、国が定める都市計画運用指針などを参考に、五つの評価分野を設定し、それぞれについて都市計画上の見地からも評価を実施しているということでございました。
一方、こうした大規模な工場の存続に当たっては、近隣の地域の理解と協力の上で成り立つものであり、現在の駒岡清掃工場は、昭和60年に竣工してから、約30年間、運転を続けてこられたのも、地元の理解と協力といった大きな支えがあったものと理解しております。新工場の建設計画を進めるに当たっては、さまざまな機会を通じて事業の説明と意見交換を実施してきたということでございます。また、先月より開催している駒岡清掃工場更新基本構想検討
委員会においても、先ほどお話がありましたように、委員として参加する5名の地域の方々との意見交換も行っているという説明でした。多くの方に受け入れていただくためにも、地域の声を十分に聞きながら事業を進めていくことはとても重要だと考えております。
そこで、質問ですが、これまで地域への説明会や意見交換を実施してきた中で、地域からはどのような意見があったのか、伺います。
◎日當 施設担当部長 地元からの意見についての質問でございます。
これまで、地域の皆様には、事業内容についての説明会や意見交換を重ねて実施しており、事業に対する理解は得られているところでございます。意見交換の中では、住民の方から、工場移転に伴い、収集車両等の走行ルートが変更となるため、事故防止や安全確保の観点から懸念する声もいただいているところでございます。こうした声を含めまして、現在、地元町内会において意見や要望を集約しているところとお伺いしておりますので、今後、より具体的なご意見が寄せられるものと考えているところでございます。
◆
松原淳二 委員 今、地域の中で取りまとめられている最中だということでございます。地域の中ではさまざまな意見があろうかと思いますが、そうした中で、地域の声にしっかりと応えていただくことが重要だと考えております。
改めて、伺いますが、今後、地域からの声にどのように応えていくのか、お聞かせください。
◎日當 施設担当部長 地域からの声にどう応えていくかについての質問でございます。
廃棄物処理施設は、収集車両等の往来を伴う施設でございまして、地域の皆様の懸念の声もございますことから、道路などの周辺環境の整備が重要であると認識しているところでございます。これまでも、昭和60年の現駒岡清掃工場や、平成10年の資源選別センター建設時におきまして、地元からお話を伺い、道路整備等の周辺
環境整備に努めてまいりました。今後、地元町内会から集約した意見をいただく予定でございますが、具体的な内容につきましては、改めて地元町内会と意見交換を密に行いまして、また、関係部局とも連携をとりながら丁寧な対応を心がけていく考えでございます。
◆
松原淳二 委員 ぜひ、丁寧な対応をしていただきたいと思います。
今ほど、事業計画等の説明会の中で道路整備に関する意見や要望が出されているということでした。この道路整備ですが、駒岡清掃工場周辺においては、ごみ収集車両も事故に遭遇していると聞いております。ごみ収集車両はもちろんですが、建設工事が進むことで、さらに工事車両を含む大型車両の往来がふえる以上、注意喚起だけでは事故を防ぐことは難しいと考えます。周辺
環境整備と安全の確保という視点に立って、周辺道路整備についても地域の意見、要望と整合性を図った上で、関係部局ともよく連携しながら対応していただくことをお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。